相互微小伝達4 IMC+VR


伝達

Interactive Micro Communication (IMC=相互微小伝達)について、考察してきました。そして仮想現実Virtual Realityは近代に始まったことではなく、ことばを使うこと自体が仮想現実の世界であることを説明してきました。当たり前のことですが、ことばは事実そのものでなく、人が事実のように認識する現実を想起させるものです。事実は物の世界、現実は心の世界、という事実と現実の差をまず理解すると、コミュニケーションつまり伝達の本質が見えてきます。伝達というのは送信者の意図がそのまま受信者に伝わるというのは幻想であり、誤解です。事実として見れば、受信者がその心の内に現実を構築する過程です。発信者が同じメッセージを発信しても、受信者はそれぞれの心の内に、それぞれが認識を作り上げていきます。その認識する過程はその人の知識や経験により異なっています。

伝達方法には個人対話のように1対1で、直接伝達する方法から、複数から複数へと伝達する方法まで、さまざまな形態があります。複数にも特定の場合と不特定の場合合があります。いわゆるマスコミのような大量伝達の場合は不特定多数から不特定多数の伝達であるため、仮想現実における仮想の度合いも大きくなります。複数の場合も少数から多数までのバラエティがあります。

最近話題の多いSNSは1対不特定多数の場合が多く、そして相互性があるため、返信があるのが特徴的です。個人対話の場合は当然、相互性があり送信者と受信者の齟齬が少なくて済むのは相手の理解の確認が容易だからです。それでも、なかなか相手のいうことが分からなかったり、こちらの意図が伝わらないことを日常的に経験します。

発信者と受信者の数が増えれば、当然、齟齬が増えます。そして相互性がなければ、一方通行のままで、受信者の理解はバラバラのままです。元々、伝達におけるメッセージは仮想現実ですから、事実とのギャップがあるのですが、そのギャップは数の拡大と単一方向性により、拡大する一方になります。このコミュニケーション・ギャップつまり伝達上の齟齬は完全解決は無理ですが、小さくする努力は必要です。それは何も難しいことではなく、個人対話のような最小の状態(ミニマム・モデル)があるので、それを模倣するだけです。電話、メールは媒体を替えた相互微小伝達方法です。

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