相互微小伝達5 IMC+VR+NETWORK
Interactive Micro Communication (IMC=相互微小伝達)と仮想現実Virtual Realityの関連について、考察しました。そして仮想現実Virtual Realityは近代に始まったことではなく、ことばを使うこと自体が仮想現実の世界であることを説明してきました。もう1つ近代の伝達の特徴としてネットワークというものがあります。ネットワークというと近年の概念のような印象を受けます。適当な日本語訳が定着していないこともその原因の1つかもしれません。強いていえば網なのですが、通常は放送網や連絡網のように複合語として存在しています。また網という表現から、平面的なつながりを連想してしまいがちですが、実際には立体的というか多次元なつながりをもっています。
コミュニケーションにおける相互のつながりは、原初的な口頭によるだけの伝達の時代から存在しました。例として適切でないかもしれませんが、いわゆる井戸端会議によるコミュニティの連絡網もネットワークといえます。あるいは親戚づきあい、近所づきあいから、同級生仲間、同窓会、暴走族仲間、氏子会、檀家会、町内会、商店会など多くの社会集団がネットワークとして情報を共有し、強い影響力をもっています。同列に並べるな、というご意見もあると思いますが、ここでは社会的な価値判断を抜きにして、伝達という現象を科学的に考えるという立場から、ネットワークという機能を考察しようとしています。
近年のSNSはSocial Network Serviceの略語であることが示すように、正にネットワークの力を最大限に活用する仕組みです。学校の連絡網などは一方的な情報伝達の仕組みで、しかも情報量も限定的です。しかしSNSは相互伝達性interactionが可能で、しかも受信者が大量にいて、しかも情報量が大量です。そして発信者自身がネットワークを組んでいることが多いため、情報の拡散力はものすごいものがあります。その拡散力は加速度的であり、多様性に富んでいるという特徴があります。そこにVRの要素が入ってくれば、いわゆる「玉石混淆」というか、雑多で真偽が不明な情報も爆発的に増大するという特徴もあります。つまり従来の情報伝達媒体が想定しているような事態からでは予想できない展開が起こると推測できます。その力がかつての宗教革命のような、大きく社会を変えるような要因になることは歴史的に予想できます。
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