日本語のリズム(七五調)2
日本の歌の多くが七五調であるのは、日本語がそもそも七五調であることが原因です。七五調は古くから日本の歌に取り入れられている韻律ですから、日本語と深い関係があることは明白です。言語が先か歌が先かという問題は、鶏の卵が先か鳥が先かという議論と同じで、どちらかを先にすることはできません。最初から表裏一体であったと考えられます。
この日本語の韻律を「日本語四拍子論」という人もいますが、特別なネーミングをするまでもなく、日本語話者なら誰でも身についており、自然に感じるようになっています。また交通標語など、身近な表現にも七五調が多いのは、それが日本語話者にすんなり入ってきて、覚えやすいことを利用したものです。
日本語が七五調の韻律をもつことは日本語の習得の段階で習得されていくものと推定されます。そういう研究があるのかどうか、よくわかりませんが、日本語の語彙が七五調で作られており、呼吸に合わせて発音されることから推定すれば、リズムも一緒に習得されていくはずです。
実は発音が七五調のリズムであるということは、聞く側も同じリズムでないと、うまく音が受け止められません。話す側と聞く側のリズムが一致していないと、聞き取れないのです。リズムが聞き取りの要であることは言語教育ではよく知られています。日本人が英語をうまく聞き取れないのは英語のリズムに耳が慣れていないためで、英語のリズムがわかるようになると、聞き取りができるようになります。そのためまずリズムを発音する練習からします。発音することで習得したリズムで聞き取りができるようになるわけです。ネイティブの後について発音することが行われるのは、リズム発音練習です。もっとも単純なリズムの獲得方法は歌を歌うことです。歌にはリズムがついているので、外国語を歌から覚えるという学習法は理にかなっています。歌を歌う時の発音が多少違っていても、リズムがあっていれば、聞く側は理解できます。意味はわからないままでも、原語で歌えば、その言語の話者には理解され意味が通じます。歌っている人が意味をわかっていないのに、聞いている人が勝手に意味を理解してしまう、という現象が起きます。これはリズムが理解の要素である証明です。
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