日本英語の活用法
発音学習が困難なことは理解されていると思います。そして一所懸命に訓練してネイティブ並みの発音ができるようになったとしても、日本人以外には尊敬されません。英語話者にとって、ネイティブの発音は当たり前のことなので、誰も気にしません。それよりは英語で話す内容の方が重要です。発音が良ければ良いほど、内容が伝わりやすいので、関心は当然そちらに行きます。語彙の選択や文法の適不適が余計に目立ちます。「正確な発音の変な英語」は洒落になりません。逆の場合、つまり「発音は少々変だが、内容が素晴らしい英語」は関心をもたれます。
実は日本英語の文字学習は問題なく、綴りも正しく、かなり高度な語彙が理解され、高度な文章が使用されます。大学入試に出る英語はかなり高度な英語です。この程度の英語が読み書きできれば、英語圏ではかなり尊敬されます。読みに比べて、書く方は劣りますが、そこを強化すれば、英会話ができなくても、通用します。比較するのはおかしいかもしれませんが、英米圏の聴覚障害者は英会話ができませんが、立派に生活も仕事もできています。英会話の代わりに手話会話が中心になりますが、やはり英語の文章力は必要です。実は日本からアメリカの聾学校に留学した聾高校生が現地で、その英語力に驚かれたことがあります。聾学校の英語の時間は少なく、聾生徒の英語力は日本国内では低いと評価されていますが、アメリカ国内の聾生徒と比較すると高かったのです。留学する聾生徒は優秀な生徒ですから、それなりの英語力があったのですが、それでも現地の先生が驚く程でした。他国からも聾生徒の留学はあったのですが、日本からの留学生がとくに英語力が優れていたのです。同様なことは大学の留学生でもあり、現地の教授からは「日本人学生は教室では静かで議論にもほとんど参加できないので、講義内容が理解できなかったと思っていたが、レポートは実に優秀な成績だった。どうして議論に参加できないのか不思議だ。」と言う先生が多かったです。一方で、「他国からの留学生は講義内容も参考文献も読めていないのに、討議だけは参加して自己主張をする」ということも言います。日本人は不思議な人々という伝説も一部はこういうところから来ています。つまり日本英語の書き言葉はかなり高度ですから、有効に活用する方法を考えるべきです。
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