感謝祭と黒金曜日


Thanksgiving-Day

11月23日は日本では「勤労感謝の日」ですが、アメリカではThanksgiving Dayです。アメリカの感謝祭は第4木曜日という曜日指定の祭日なのですが、今年は偶然日米が重なりました。しかし意味は全く違います。日本の勤労感謝の日は、元は新嘗祭という五穀豊穣を神に感謝する日です。「新」は新穀、「嘗」は奉る、舌の上にのせて味をためすという意味で、「新嘗」はその年に収穫された新穀を神様に奉って恵に感謝し、口にすることを表しています。現在でも、新嘗祭は宮中をはじめ全国の神社で行われており、五穀豊穣を祈願する祈年祭と相対する重要な祭祀とされています。とくに宮中では、天皇陛下が自らお育てになった新穀を奉るとともに、その新穀をお召し上がりになります。新嘗祭は宮中恒例祭典の中の最も重要なものとされ、新天皇が即位の礼の後、初めて営まれる大規模な新嘗祭を大嘗祭(だいじょうさい)といいます。新嘗祭が「勤労感謝の日」になったのは1948年(昭和23年)で、戦後のGHQの占領政策により改められました。

アメリカの最初の感謝祭は、1621年と言われています。イギリスからアメリカに移住してきたピルグリムが起源です。冬のアメリカに到着したピルグリム達は、厳しい寒さと飢えに直面し、それを助けてくれたのは、ネイティブアメリカンの人達でした。ネイティブアメリカンは、ピルグリムに食料を分け与え農業を教え、アメリカで生き抜くための術を教えてくれました。そのおかげで、ピルグリムは無事に冬を越すことができたと言われています。そして、翌年1621年、ピルグリム達は、恩人であるネイティブアメリカン達を招き、神の恵みに関する宴を開きました。この時、宴で振舞われた料理は、収穫した作物や野生の七面鳥、海の幸などなど。これが現在まで続く感謝祭(Thanksgiving)のはじまりだと言われています。しかし現代では、ネイティブアメリカンの間では、感謝祭を『憂いの日(Day of Mourning)』とするようです。ピルグリムによって文化や土地を奪われた=悲しい歴史のはじまりとして、祈りを捧げます。いずれにせよ休日で家族が集まる大切な日です。

感謝祭の翌日の金曜日は物が売れません。そこで大バーゲンをするようになったのがBlack Fridayの起源です。日本ではそこだけ真似しています。

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