英作文は英借文
形態素解析による機械翻訳はオーソドックスな技法ですが、かなりの労力と計算が必要になります。一般に翻訳機や翻訳システムと呼ばれているものはそれほど本格的なものではなく、状況を限定して、文ごとの変換をしているものがほとんどです。最近のchatGPTについて、詳細は知らないので断定はできませんが、結果を見ると、にたようなシステムであることが推定されます。
学校の英語の時間で、英文解釈というのは文法的な設問もありますが、要するに英文和訳で、英作文は和文英訳です。作文というのはもっと長い文章を自分で書くことなのですが、そのレベルに達するには相当な力量が必要なので、現実には短文を翻訳するだけの課題になっています。そこで対策としては、ある程度の模範となる例文を覚えて、語だけを入れ替えることで英訳するという技法が教えられています。例文量が多いほど、「当たる」確率が増えるのですが、大体300例文が上限です。そこで「作文」という創造的な方法ではなく、「借文」によって文を作るのがこの方法です。この技法を応用して、特定の状況に使われる例文をうまく活用することが考えられます。旅行やお店などでの会話は例文が限られます。接客業のマニュアルでもそれらだけを集中的に訓練します。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」「かしこまりました」などが典型例です。それに相当する外国語例文を集めて、語の変換のように「文の変換」を行えばよいわけです。いわば「文のコピペ」です。最近では申請書など様式が決まった書類にも同様の技法が使われています。レポートのコピペはよくないですが、便利なコピペもあります。要するに使い方次第です。
GPTは推測するに、検索語をキーにして、ビッグデータの文章から該当箇所を抜き出して表示するシステムが中心のようです。コピペを多用していた怠け者の学生にはさらに便利な道具ですから、増えるのも無理のないことです。ただ産出された文章はほぼ同じになるので、先生側もAIを使ってGPTを利用したかどうかを検証することは簡単です。そのことを学生はあまり知りません。これは一種の不正行為なので、処罰対象になります。そこまでいかないにしても再試験をして検証することはあります。通信を禁止し、目の前で書かせれば明白にわかります。借文と剽窃は違います。
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