門の文化
門は英語ではgateですが、門とゲートではかなり意味の違いがあります。ゲートといえば大きなものを想像しますが、門は大きな門から小さな門まであります。西洋のゲートは外と敷地の境界で、かなり大きな家や城、施設などに設置されています。そして建物にはドアがあります。日本の家屋にも同じ形式のものもありますが、武家屋敷や寺院などを見ると、立派な門の奥の建物には玄関があって戸はありません。寺の山門はあまりに立派すぎて建築物のようになっているので、門と感じないこともあるほどです。山門から本堂まで距離が長いことも多く、その参道脇の庭が美しいです。
最近はgatewayという英語が流行っていて、新しくできた東京の山手線の駅も高輪ゲートウエイとなっています。寺院の山門からの参道が正にゲートウエイで、これから建物に行くという道案内の役をしています。それで日本語の「入門」という意味で、gatewayということがあります。しかし昔の英語ではdoorwayという表現の方が本のタイトルなどに多かった気がします。アメリカの家では道路から直接家が見える形式が多く、塀や門がありません。前庭front yardの芝生が美しく、その真ん中にドアまでの短い道があります。それがdoorwayです。お屋敷でもないかぎりgatewayはありませんから、気楽に入門してください、というニュアンスだとthe doorwayの方が親しみがあると思われていたと思います。
日本語の門には道場の入り口というニュアンスもあり、同じ道場で学んだ人々を一門と呼び、弟子を門弟と呼びます。今でも歌舞伎役者や落語家の子弟関係を一門と呼び、それが林家、柳屋などの屋号にもなっています。渡世人のような親子関係の場合は一門と呼ばず一家というので、門と家には区別があることがわかります。一門は英語だとclan、一家はfamilyとなるのですが、クランの方は日本ではあまり知られていません。クランは一族など血族的なニュアンスが強いです。
日本語の門はgateのような建物の一部という意味だけでなく、入口の比喩から、集団や塊のようなニュアンスを表します。漢字の門構えを見ると実に多くの漢字があり、古来、広い意味をもっていることがわかります。よく使う「間」という字はへだたりや境目を表します。日本語の思考を表している良い例だと思います。
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