風呂の文化
風呂とトイレは世界を見ると一番違う文化といえます。風呂は英語でbathですが、風呂のある部屋、風呂場はbathroonとなります。しかしbathroomはトイレの意味に使われることが多いです。Where is a bathroom?と言われて、風呂場に案内し、日本人も外国人も双方が困ったというエピソードは有名です。最近は日本でもユニットバスという施設があり、トイレと風呂が一緒になっていることは普通になってきていますが、一軒家や広いマンションでは風呂とトイレは別になっています。欧米でもトイレと風呂が別になっている場合もありますが、それでも完全に別部屋になっていることは珍しく、すごく広い部屋にシャワーかバスタブとトイレが置かれていることがほとんどです。これは水回りを一緒にするという合理性よりは習慣の問題が大きいと思われます。同じ水回りでも洗面所は別になっているからです。
日本では水回りということで、風呂場に洗濯機を置くことが多いですが、欧米ではまず見かけません。洗濯機は専用の部屋とか地下室などに置きます。安いホテルなどではランドリールームがあり、数台の洗濯機と乾燥機が置いてあります。コインが必要なことは日本でも同じですが、使い方がかなり異なるので、当惑することが多いです。もっとも簡単なシステムなので、直ぐに慣れます。
日本に来た外国人は温泉などの共同浴場に驚きます。ヨーロッパの一部には温泉や共同浴場がありますが、プールのような感じで水着で入ります。当然、混浴が普通です。プールが男女別という国はイスラム教圏以外ではないと思われます。サウナは微妙で水着着用の所と水着なしの所があります。ジャグジーという露天風呂のような施設でも基本は水着着用で混浴です。
風呂の温度は低いのが普通で、日本のように温まるという文化はほぼありません。体を洗うのはシャワーであり、バスタブの外で身体を洗うという習慣もありません。諸外国では風呂はリラックスすることが目的で、医療目的のものも多く、温度はほぼぬるま湯程度で、長く浸かることで新陳代謝を促進することが目的になっています。日本観光に来た外国人は最初、戸惑うようですが、温泉にハマる人と二度と入らない人に分かれます。文化というのはそういう側面があります。
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