初夢、初荷、初売り
元日の翌日は初夢、初荷、初売りなど、その年、初めてのことに縁起を担ぎます。つまり元日は初詣などの宗教行事が中心で、いわゆる仕事や作業はお休みする日です。キリスト教世界ではそれが安息日holidayとなっています。それも毎週1日やってきます。古来の日本は働き者ばかりだったのか、休みは盆と正月の二回が定例でした。むろん、奉公人は藪入りなどの休みがありましたが、農民は農作業の合間に休みます。自然は休んでくれないので、自然を相手の仕事は基本的に休みがありません。そこで土用という習慣を作り、農作業を休むような工夫をしていました。
初夢は本来、2日夜から3日朝にかけて見る夢でしたが、現在は元日から2日にかけてみる夢と解釈されることもあります。昔は初夢でその年の吉凶を占う風習があり、縁起の良いものとして「一富士、二鷹、三茄子」とされています。これは徳川家縁の地である駿河国で高いものの順(富士山、愛鷹山、初物のなすの値段)という説や、徳川家康が好んだもの(富士山、鷹狩り、初物のなす)という説など諸説あります。
また、いい初夢が見られるように、七福神の乗っている宝船の絵を描いた紙を枕の下に入れておくと良いといわれています。
初荷は問屋や商店が、商い初めの商品を美しく飾って売り先へ送り出すものですが、最近は幟があるかどうか程度になりました。この習慣は江戸時代から始まり、車にはのぼり旗を立て、かつては馬を使用していたため、馬を美しい鞍や綱で飾り立てて荷を運んだそうです。明治時代までは残っていたそうです。
初売りは、昔は初売りと同じく1月2日に行われていたのですが、現在では官公庁や多くの企業で業務が開始される1月4日に初出荷が行われることもあります。デパートなどの商店では福袋と称して、いろいろな商品の詰め合わせを販売するようになり、今では高額商品も増えてきて、行列ができることもあり、テレビなどで報道されるなど、新しい風物となっています。
またコンビニや一部のスーパーでは、元日から売っている店もあり、暮に買いだめしたり、長持ちするおせち料理などもだんだん少なくなっていく傾向があります。正月の風物も時と共に変わっていくのは止むをえないことかもしれません。
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