小寒


芹

1月6日は小寒の入りです。テレビの天気予報はこの日だけが小寒のような説明をしますが、それは間違いです。小寒の初日を「寒の入り(かんのいり)」といいます。小寒には、寒中や寒稽古など、おなじみの習慣がたくさんあります。小寒は二十四節気の1つで、二十四節気は春分点から春分点までの1年を24分割したもので、約15日続きます。従って1月19日までが小寒です。その後は大寒となります。二十四節気は七十二候に三分割されます。

初侯は芹乃栄(せりすなわちさかう)水辺にセリがたくさん生えてくる頃です。芹(セリ)は人日の節句の粥に入れる春の七草のひとつです。人日の節句は7日です。小寒の冷たい水辺で育った芹は、葉の先までみずみずしくておいしく、寒芹と呼ばれ珍重されました。ひとところに競り合うように群がって生えるので「せり(競り)」という名がついたそうです。

次候は水泉動(しみずあたたかをふくむ)大気はまだまだ冷たいが、地中で凍っていた湧き水が解けて動き始めるという意味です。水泉とは湧き出る泉のことです。小寒から9日目のことを「寒九(かんく)」といい、この日に降る雨のことを「寒九の雨」といいます。農家の人々にとって豊作の兆しと信じられており、この雨が降ると大いに喜ばれたといわれています。1月11日になると、お正月に供えた鏡餅は鏡開きをします。鏡餅は日がたって硬くなっているので、木槌などでたたいて割り、おしるこにしていただくのが定番です。「割る」のは縁起が良くないので「開く」という言葉を使うようになりました。

末候は雉始雊(きじはじめてなく)雉(きじ)の求愛の季節とされています。オスは真っ赤な肉垂れを揺らしながら、必死に「ケーンケーン」と甲高い声を出してメスに求愛し鳴き始めます。雉の母衣打ち(きじのほろうち)という表現もあり、雉が翼を激しくはばたかせ、音を立てる行為のことです。人の頼み事をそっけなく拒絶する様を「けんもほろろ」といいますが、「けん」は雉の鳴き声、「ほろろ」は母衣打ちのことだそうです。日本の国鳥である雉はオスとメスの仲睦まじい鳥で、そんな雉にあやかって、夫婦愛や家族愛を確かめることが開運法のひとつです。

元日から7日までを「大正月(おおしょうがつ)」、14日から16日までの3日間、もしくは15日を「小正月(こしょうがつ)」と呼んでいました。

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