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やまとことば⑧ する・やる1

「する」 は 意識的、無意識に関わらず、ある結果になる様に行動すること、という意味です。 「やる」 は 自分の意思で行動することや与えることに使われ、カジュアルな意味合いが強い言葉、という意味です。確かに、「やってやる」という意思を示す表現はありますが、「してする」という表現はありません。「してやる」はかろうじて成立します。「やってやる」の転訛である「やっちゃる」はありますが、「しっちゃる」はあり・・・

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やまとことば⑦ ある・いる2

「ある」 と「いる」は動きという意味の他に、文法形式上には大きな違いがあります。「ある」の反対語は「ない」ですが、「いる」の反対語は「いない」です。形式の違いとしては、「ある」には対比的な逆の概念があるのに対し、「いる」は否定による形式です。漢字で考えると「有」の反対は「無」ですが、「在」の反対は「不在」であり、ここでも否定語がつくことで反意を表す形式です。形式的にみると、反意語が存在するか、否定・・・

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やまとことば⑥ ある・いる1

「ある」 は、物や事柄がそこに存在しているという意味で使われます。 その一方で、 「いる」 は、人や動物などの生き物がそこに存在しているという意味で使われます。 「ある」には、「有る」と「在る」の2種類があります。漢字で書くと「有る」と「在る」に書き分けられます。同じ音のヤマトコトバが漢字で書き分けられるということは、漢字が入ってきて、概念が分化したと考えられます。「有る」は、所有や物の有無を意味・・・

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やまとことば⑤ こと3

コトの用法として、名称の言い換えを表す用法があります。コトは、「AことB」の形で、言い換えによる詳しい説明や実体を紹介することができます。「千年に一人の天才こと〇〇さんにお話をしていただきます」のように表現できます。しかし近年は、このコトを省略し、間(ま)をおくことで代替している表現が増えてきました。理由は不明ですが、文語的なニュアンスや古い表現のような感じがするからでしょうか。文法的な説明として・・・

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やまとことば④ こと2

①その人・物事に関連する事柄を表す用法には、「仕事のことで悩んでいます」のような表現があり、これは「仕事について悩んでいます」と言い換えられます。あるいは「仕事上のことで悩んでいます」とも言えます。これはたとえば、会計担当者の人が、会計担当であることに悩んでいるのではなく、ある事案の内容について悩んでいることを表します。こういう相談を受けた時、「そんなら、その仕事辞めたら?」というのは本質ではない・・・

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やまとことば③ こと1

者と物の話はキリがないので、次は事(こと)の話に移ります。コトはモノと違い、実際に目で見ることができない抽象的な存在です。抽象的であるが故に意味の広がりはさらに広くなります。 コトとモノの違いは「価値のある体験や経験あるいはそれらを得るための事象が「コト」で、価値のある機能を持つ道具や商品が「モノ」です。「コト」は形のないものに価値がある無形商品のみですが、「モノ」は形のある有形商品が多いもののデ・・・

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やまとことば② もの(続)

者と物の違いは意外に簡単ではないのです。日本語の現実では、漢字を思い浮かべることで識別は簡単です。たとえば「もらいもの」は物ですし、「うつけもの」なら者です。音は似ていますが「つけもの」なら漬物が浮びます。漢字が書けるか書けないかは関係ありません。つまり日本語母語話者は漢字がイメージとして記憶されており、文脈や状況から適正な漢字が連想できます。外国語として日本語を学んだ人にはなかなかむずかしいよう・・・

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やまとことば① もの

最近は外国語とくに英語からの借入語が日本語の中に氾濫しています。少し前までは漢語が日本語を席捲していました。文明の発達と借入語の普及は表裏一体の関係にあります。どの言語でも本来の語からの新造には限界があり、接触の多い言語の中で先進性があると思われる言語の語彙からの借用は避けられません。日本語では、古代から現在は中国と呼ばれる隣国からの借用がありました。歴史的には大陸の王朝はたびたび入れ替わり、それ・・・

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語呂合わせ 5 韻律と童謡

英語圏では語呂合わせは韻律rhymeと呼ばれ、幼児の頃からnursery rhymes に親しみます。ナースというと、日本では看護師の意味ですが、英語では保育士なども含みます。そして動詞にすると、授乳する、哺乳する、子守をする,世話をする、という意味の他に、愛撫する、大事そうに抱く、などの意味の広がりがあり、さらに〈植物などを〉育てる,培養する、育成する、奨励する、〈破損した乗り物などを〉上手に操・・・

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語呂合わせ 4 縁起

語呂合わせは同じ言語現象でも、洒落、ダジャレ、地口などいろいろな呼び名があります。 駄洒落(だじゃれ)はレベルの低い洒落ということで、同じ語呂合わせにも違いがあるわけです。駄という接辞は駄菓子、駄賃、駄々、無駄など価値の低いことを示します。同じ言葉でも、それだけ評価も違うし、意味が広いということです。こういう現象を語彙分化というのですが、たとえば英語ならrice1語でも、日本語は米、稲、籾、飯、ラ・・・

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語呂合わせ 3

語呂合わせは同じ言語内ではおもしろさ、として広がりやすいのですが、言語をまたがると誤用や誤認の原因となりがちです。政府の御用で作った用語が誤用になっては洒落になりません。 語呂は母音の反復もしくは類似を利用するので、子音は無視されることがよくあります。日本語は文字上、母音が5つなので、同音異義語が発生しやすく、さらに語呂合わせがしやすい言語です。英語の場合は英語の母音は短母音7つ、長母音4つ、複合・・・

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語呂合わせ 2

語呂合わせは記憶に残りやすいので、政治的なプロパガンダにも多用されます。時にはそれが行き過ぎて誤用になることもあります。 たとえば、最近、ダイバーシティという用語が頻繁に出てきます。これはdiversity(多様性)に都市cityを混ぜ合わせて、英語ならdiver-cityとなるので、誤用のリスクはありませんが、日本語では混乱が起きます。日本語でダイバーといえば、潜水士ですから、ダイバー・シティと・・・

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語呂合わせ 1

日本語は同音異義語が多いので、語呂合わせで遊ぶ、ことば遊びが盛んです。同じ語呂合わせでも職場で中年男性が言うとオヤジギャグとなり、文学では韻を踏む、といわれ、歌にするとラップといわれる、価値観が変化する言語現象です。CMでは語呂合わせが頻繁であり、商品名などにもよく使われる言語技法です。 語呂合わせには肯定的な内容の場合と、否定的な内容があることはあまり分類されておらず、おもしろさだけが強調される・・・

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「なぜ」を問うてみよう 2

Because it’s there.というのは有名な表現で、エベレストに最初に登頂したジョージ・マロリーの言葉です。日本では「そこに山があるからだ」と訳されていて、itは山と訳されて広がっていますが、昔からこの訳には議論がありました。しかしインパクトのある表現なので、「なぜ」と問われて説明がむずかしくなる時の便利な回答として重宝されてきました。この表現のitはエベレストのことなので、エベレストと・・・

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商品としての言語4 商品化された宗教

宗教と商品化は無縁のようなイメージですが、実際に日本の神社やお寺にいくと、たくさんの商品に出会います。御祈祷料やお布施は宗教行事の謝礼ですから、商品ではなく、実際に課税対象ではありません。しかし、お守りやキーホルダー、お線香などは値段がついており、販売されているので商品です。最近流行のご朱印帳は商品なのか、宗教物なのか、境界が曖昧です。さらに神社やお寺には門前町があり、そこではお土産や食べ物が普通・・・

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商品としての言語3 商品化された英語

日本は「アメリカの植民地」となってしまったせいか、アメリカ英語しか商品化されておらず、学校教育でもアメリカ英語のみが「公用語」化しています。しかし、英語を国語としている国は日本人が想像しているよりはるかに多く、有名な所としては、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、フィリピン、インドなどが、日本人がよく訪れる国なので、接する機会もあります。 自分が習ったアメリカ英語とは、発音だけでなく、・・・

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商品としての言語2 日本国内の言語

国語といえば日本語のことですが、日本という国の中には日本語以外の言語も存在しています。「日本は単一民族、単一言語の国」というのは現実を見ていない理念にすぎません。現在はアイヌと呼ばれている民族がいますが、昔から北方諸民族が日本の中に住んでいたことは事実ですし、多くの外国人がやってきて、日本に住んだ人がいます。古くは朝鮮半島やシナ大陸、そして南アジアからの人もいました。日本人のルーツは今も学問の世界・・・

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商品としての言語1 英語など

自然や歴史と同じく、目に見えないため、商品とは考えないのですが、実際には売り買いの対象になっているものはたくさんあります。その1つが言語です。 言語が商品、というと違和感を覚える日本人が多いと思います。言霊(ことだま)という思想があるように、ことばは魂であって、超自然的な力があるので、商品ではない、と考えがちです。そこでまず比較的わかりやすい英語の例を考えてみます。日本でも、英語教育は盛んですが、・・・

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ナチュラルアプローチは同化主義

バイリンガル教育はアメリカの他民族に対する公用語教育です。時々誤解されるのですが、アメリカ国内で英語なしに教育を受けることができる、ということではありません。それではモノリンガル教育になってしまいます。二言語とは英語とそれ以外の言語、という前提を忘れてはならないのです。ただ誤解される理由の1つが、アメリカにおける同化主義と多文化主義という思想の対立にあります。「アメリカは人種のるつぼ」ということを・・・

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バイリンガル教育

日本で誤解されているものの1つがバイリンガル教育です。二言語教育と聞いてもピンと来ない人がほとんどだと思います。日本でバイリンガル教育を唱える人は聴覚障害児教育において手話を導入しようと主張する人々です。本家ともいうべきアメリカのバイリンガル教育はアメリカ国内に英語の話せない国民が多く存在し、その児童も含めて、英語をどのように習得させるか、という目的で考えられたものです。その対象は移民の児童で、英・・・

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