World Day Against Child Labour
6月12日は、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関である国際労働機関(International Labour(Labor) Organization:ILO)が2002年(平成14年)に制定した児童労働に反対する日です。世界では1億6,000万人もの子どもたちが苛酷な労働環境で働いているとされます。児童労働は、子どもたちの未来を奪うものであり、深刻な「子どもの権利」の侵害です。児童労働はアフリカやアジアなどの開発途上国に多く、世界全体で5歳~14歳の子どもの13%が児童労働に従事しているとされていて、特にサハラ以南のアフリカに代表される後発開発途上国では25%にも上るそうです。児童労働は、子どもたちの教育の機会を奪うだけでなく、経済的搾取・健康被害・性的搾取に合い、時には危険な労働により命を落とす場合もあります。子ども自身の未来だけではなく、将来の国の発展の担い手である人材が育たないことにより、その国の経済発展や社会の安定に悪影響を及ぼします。貧困の連鎖を断ち切り、子どもの権利を守るための取り組みが必要でILOを中心として、児童労働を取り除く企業の活動を支援するなど、児童労働の撲滅に向けた活動が行われています。日本ではACの広告が知られています。
日本では児童労働は特殊なケースで、憲法により「教育の義務」ということで子供の権利が守られています。憲法第二十六条では「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と定められており、国民の三大義務の1つになっています。三大義務とは「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」です。義務であると同時に権利でもあります。
最近政府はやたら少子化対策に傾倒し、児童労働どころか給付金までしようとしています。その根拠は「少子化社会対策大綱2020年5月29 日」にあり、その「Ⅲ 基本的な考え方 ~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~」では下記を制定しています。
(1)結婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくる
(2)多様化する子育て家庭の様々なニーズに応える
(3)地域の実情に応じたきめ細かな取組を進める
(4)結婚、妊娠・出産、子供・子育てに温かい社会をつくる
(5)科学技術の成果など新たなリソースを積極的に活用する
これは明らかに児童というより、大人の国民への支援となっています。なんとなく本末転倒のような感じがするのは私だけでしょうか。いわゆる先進国は少子化に悩み、後進国は人口爆発に悩むという矛盾した状況があるのは、明らかに経済と政治の問題です。仮定の話ですが、もし日本が経済的に低開発になれば、自動的に多子化するでしょうか。人口問題は食料問題とも直結しています。宗教や文化ともつながっています。少子化問題にそういう視点がないのも問題です。
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