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やまとことば⑦ ある・いる2

「ある」 と「いる」は動きという意味の他に、文法形式上には大きな違いがあります。「ある」の反対語は「ない」ですが、「いる」の反対語は「いない」です。形式の違いとしては、「ある」には対比的な逆の概念があるのに対し、「いる」は否定による形式です。漢字で考えると「有」の反対は「無」ですが、「在」の反対は「不在」であり、ここでも否定語がつくことで反意を表す形式です。形式的にみると、反意語が存在するか、否定・・・

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やまとことば⑥ ある・いる1

「ある」 は、物や事柄がそこに存在しているという意味で使われます。 その一方で、 「いる」 は、人や動物などの生き物がそこに存在しているという意味で使われます。 「ある」には、「有る」と「在る」の2種類があります。漢字で書くと「有る」と「在る」に書き分けられます。同じ音のヤマトコトバが漢字で書き分けられるということは、漢字が入ってきて、概念が分化したと考えられます。「有る」は、所有や物の有無を意味・・・

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やまとことば⑤ こと3

コトの用法として、名称の言い換えを表す用法があります。コトは、「AことB」の形で、言い換えによる詳しい説明や実体を紹介することができます。「千年に一人の天才こと〇〇さんにお話をしていただきます」のように表現できます。しかし近年は、このコトを省略し、間(ま)をおくことで代替している表現が増えてきました。理由は不明ですが、文語的なニュアンスや古い表現のような感じがするからでしょうか。文法的な説明として・・・

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やまとことば④ こと2

①その人・物事に関連する事柄を表す用法には、「仕事のことで悩んでいます」のような表現があり、これは「仕事について悩んでいます」と言い換えられます。あるいは「仕事上のことで悩んでいます」とも言えます。これはたとえば、会計担当者の人が、会計担当であることに悩んでいるのではなく、ある事案の内容について悩んでいることを表します。こういう相談を受けた時、「そんなら、その仕事辞めたら?」というのは本質ではない・・・

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やまとことば③ こと1

者と物の話はキリがないので、次は事(こと)の話に移ります。コトはモノと違い、実際に目で見ることができない抽象的な存在です。抽象的であるが故に意味の広がりはさらに広くなります。 コトとモノの違いは「価値のある体験や経験あるいはそれらを得るための事象が「コト」で、価値のある機能を持つ道具や商品が「モノ」です。「コト」は形のないものに価値がある無形商品のみですが、「モノ」は形のある有形商品が多いもののデ・・・

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やまとことば② もの(続)

者と物の違いは意外に簡単ではないのです。日本語の現実では、漢字を思い浮かべることで識別は簡単です。たとえば「もらいもの」は物ですし、「うつけもの」なら者です。音は似ていますが「つけもの」なら漬物が浮びます。漢字が書けるか書けないかは関係ありません。つまり日本語母語話者は漢字がイメージとして記憶されており、文脈や状況から適正な漢字が連想できます。外国語として日本語を学んだ人にはなかなかむずかしいよう・・・

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やまとことば① もの

最近は外国語とくに英語からの借入語が日本語の中に氾濫しています。少し前までは漢語が日本語を席捲していました。文明の発達と借入語の普及は表裏一体の関係にあります。どの言語でも本来の語からの新造には限界があり、接触の多い言語の中で先進性があると思われる言語の語彙からの借用は避けられません。日本語では、古代から現在は中国と呼ばれる隣国からの借用がありました。歴史的には大陸の王朝はたびたび入れ替わり、それ・・・

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Route 66

この記事は6月6日に出すべきだと反省しています。たまたま先日ルート66に関する番組を見たので、思いだしたことがあります。この有名なアメリカの国道を実際にドライブしたことがあります。今ではhistoric route 66という観光道路として、古い道路を復刻し、道路の両側に昔のストアやガソリンスタンド、モーテルなどを復刻しています。イメージとしては、中山道の残っていた旅籠を復刻して観光名所にした妻籠・・・

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七夕

もう過ぎてしまいましたが、7月1日は半夏生でした。そして今日は七夕です。半夏生は雑節という日本独自の習慣で、今でこそ、雑節と二十四節気は分けられていますが、昔は暦ということで区別せず、お年寄りのいう通りの食べ物や飲み物を用意していた、という生活だと思います。七夕というと、ある落語を思いだします。借りた袴を留守の間に返し、「七に置いた」と書置きします。それを読んだ貸主が「借りたものを質に入れるとは何・・・

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小暑、水無月入り

もう過ぎてしまいましたが、7月1日は半夏生でした。そして今日から小暑です。半夏生は雑節という日本独自の習慣で、小暑は二十四節気という中国及び東アジア圏の一部で共有されている習慣です。今でこそ、雑節と二十四節気は分けられていますが、昔は暦ということで区別せず、お年寄りのいう通りの食べ物や飲み物を用意していた、という生活だと思います。二十四節気はさらに10日ごとの七十二候に分けられます。 初侯:温風至・・・

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語呂合わせ 5 韻律と童謡

英語圏では語呂合わせは韻律rhymeと呼ばれ、幼児の頃からnursery rhymes に親しみます。ナースというと、日本では看護師の意味ですが、英語では保育士なども含みます。そして動詞にすると、授乳する、哺乳する、子守をする,世話をする、という意味の他に、愛撫する、大事そうに抱く、などの意味の広がりがあり、さらに〈植物などを〉育てる,培養する、育成する、奨励する、〈破損した乗り物などを〉上手に操・・・

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語呂合わせ 4 縁起

語呂合わせは同じ言語現象でも、洒落、ダジャレ、地口などいろいろな呼び名があります。 駄洒落(だじゃれ)はレベルの低い洒落ということで、同じ語呂合わせにも違いがあるわけです。駄という接辞は駄菓子、駄賃、駄々、無駄など価値の低いことを示します。同じ言葉でも、それだけ評価も違うし、意味が広いということです。こういう現象を語彙分化というのですが、たとえば英語ならrice1語でも、日本語は米、稲、籾、飯、ラ・・・

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語呂合わせ 3

語呂合わせは同じ言語内ではおもしろさ、として広がりやすいのですが、言語をまたがると誤用や誤認の原因となりがちです。政府の御用で作った用語が誤用になっては洒落になりません。 語呂は母音の反復もしくは類似を利用するので、子音は無視されることがよくあります。日本語は文字上、母音が5つなので、同音異義語が発生しやすく、さらに語呂合わせがしやすい言語です。英語の場合は英語の母音は短母音7つ、長母音4つ、複合・・・

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語呂合わせ 2

語呂合わせは記憶に残りやすいので、政治的なプロパガンダにも多用されます。時にはそれが行き過ぎて誤用になることもあります。 たとえば、最近、ダイバーシティという用語が頻繁に出てきます。これはdiversity(多様性)に都市cityを混ぜ合わせて、英語ならdiver-cityとなるので、誤用のリスクはありませんが、日本語では混乱が起きます。日本語でダイバーといえば、潜水士ですから、ダイバー・シティと・・・

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語呂合わせ 1

日本語は同音異義語が多いので、語呂合わせで遊ぶ、ことば遊びが盛んです。同じ語呂合わせでも職場で中年男性が言うとオヤジギャグとなり、文学では韻を踏む、といわれ、歌にするとラップといわれる、価値観が変化する言語現象です。CMでは語呂合わせが頻繁であり、商品名などにもよく使われる言語技法です。 語呂合わせには肯定的な内容の場合と、否定的な内容があることはあまり分類されておらず、おもしろさだけが強調される・・・

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「なぜ」を問うてみよう 4

日本人は「なぜ?」を問うことが少ない、といわれるのですが、少ない、というより、次々にたたみかけて質問することが少ないのだと思われます。「なぜ?」と訊いて、「〇〇だから」と答えられると、それで満足してしまったり、諦めてしまう性質があるのだろうと思われます。現実には、それほど単純なことで済むことはほぼなく、複雑な原因や要因があり、それらが絡み合っているのですが、日本の文化では、深く追求しないのが美であ・・・

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甲子仏滅の日

本日は干支の甲子(きのえね)という60日周期の第1日目です。とくにめでたいということではないと思われるかもしれませんが、この日は、七福神の一つである大黒天の縁日にあたり、大黒天を祀っている寺社では甲子祭が開かれます。大黒天は、金運、商売繁盛、縁結びなどのご利益があるので、参拝してお願いごとをすれば、夢が叶う可能性大です。ご近所の大黒天が祀られているお寺があれば、ご参詣するのもよいでしょう。甲子の日・・・

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「なぜ」を問うてみよう 3

「なぜ」という質問は哲学的な存在論のような高尚な疑問もありますが、素朴な疑問であることも多いのです。とくに子どもは大人ならもたない疑問をもつことがしばしばあります。たとえば「どうしてお腹がへるの?」という疑問があります。こういう内容の歌がありますが、その結論は「かあちゃん、お腹と背中がくっつくぞ」というオチになっています。つまり空腹の原因やメカニズムを知りたいのではなく、お腹がすいた、ということを・・・

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「なぜ」を問うてみよう 2

Because it’s there.というのは有名な表現で、エベレストに最初に登頂したジョージ・マロリーの言葉です。日本では「そこに山があるからだ」と訳されていて、itは山と訳されて広がっていますが、昔からこの訳には議論がありました。しかしインパクトのある表現なので、「なぜ」と問われて説明がむずかしくなる時の便利な回答として重宝されてきました。この表現のitはエベレストのことなので、エベレストと・・・

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「なぜ」を問うてみよう 1

欧米人、とくにアメリカ人と会話していると、頻繁にWhy?を訊かれます。ある芸人のネタにWhy Japanese people …というのがありますが、なぜこういう質問が出るかというと、質問者は自分が納得するための説明を求めているからです。日本人が「なぜ」を問う場合、理由とか動機を訊くことが多いと思います。ある意味、単純な疑問であって、それで納得するためではないと思います。結果的に納得することはあっ・・・

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