縁日



1月21日は初大師という弘法大師(空海)の縁日です。今でも大きな真言宗のお寺では法要が行われますが、昔は町角に弘法さまがあって、毎月21日の縁日には子供にとってお菓子がもらえるうれしい日でした。なぜ21日かというと3月21日がご命日だからです。弘法大師の生きていた時代は飢饉が多く、大師が庄屋などのお金持ちに『自分一人ではなく、貧しい人にも分け与えよう。』と説いて回ったことが由来とされています。浄土真宗の檀家の多い地域では、あちこちでお菓子を配っていたのです。アメリカのハロウインでも同じようなことをしていますから、お菓子メーカーも復活を試みてもいいのではないでしょうか。

「縁日とは神仏の降誕、降臨、示現、誓願などの縁(ゆかり)のある日、すなわち有縁(うえん)の日のことである。縁日には祭祀や供養が行われ、この日に参詣すると普段以上の御利益があると信じられた。特に、年の最初(または月の最初)の縁日を初(はつ)○○(初天神、初観音、初不動など。干支を縁日とする場合は初午、初巳など)と称し、年の最後の縁日を納め(おさめ)の○○または終い(しまい)○○と称される。近代以降では祭りが催され、露店などが多く出る。明治期には縁日欄が新聞に掲載された。(https://ja.wikipedia.org/wiki/縁日)

この解説だけではわかりにくのが宗教との関りです。縁日の多くは仏教関係なのは日本社会と仏教の関係が深いので当然ですが、他にも神道関係や実在の人物であることもあります。上記の例だと観音様や不動様は仏様ですが、天神様は菅原道真公です。弘法大師も実在の人物です。同じ密教系でも天台宗は元三大師の縁日が正月三日です。江戸ではお祖師様と呼ばれる日蓮上人の縁日が13日となっています。落語には初天神やお祖師様が題材のものが有名です。浄土宗では法然上人の縁日が25日です。仏教系でない縁日としては、八幡様が23日、水天宮様が5日、金毘羅様が10日、愛宕様が24日などがあります。他にもあるので書き漏らしもあると思います。江戸の人々は信心深い人はしょっちゅうあちこちにお参りにいっていたわけです。

毎日が何かの縁日といえる状況ですが、西欧でもカトリックの聖人の日は毎日あり、宗派や国によって、大きな祭りにしているかどうかの違いがあります。バリ島は毎日お祭りがあって観光になっています。昔の祭りや縁日は信仰といえば信仰ですが、日常の中の気軽な楽しみであり、出かけるための口実でもあったようです。

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