旧暦正月
明けましておめでとうございます。本日は旧暦令和五年元旦です。先日、立春で新年が始まったという「古い」感覚の方もおられると思いますが、暦の上では本日から新年が始まります。従って今日から旧正月となります。伝統的なお正月の行事をしてみるのも新たな感覚になってよいと思います。肝心の神社やお寺はもう新暦で動いていますが、初詣もゆっくりできます。
今年は新暦だと閏年で、2月29日があり、しかも休日が2日もあって、労働日がさらに短くなり困っている会社も多いのではないでしょうか。新暦は31日の月と30日の月があり、不規則で不便です。その点、旧暦は毎月30日となっており、そういう不便はありません。
日本が新暦を導入したのは明治5年で、それまでは千年以上に渡って旧暦でした。新暦を導入したのは明治の西洋かぶれの役人たちで、しかも動機が政府の財政が逼迫していて、給料を減らそうということでしたから、そもそも合理的理由はなかったのです。しかも知識も智慧もないため、日本が欧米と一日ずれていることすら念頭にありませんでした。当時でも地球が丸いことはわかっていましたし、理科を学んでいれば、東経でも西経でも180度になれば1日ずれることはわかっています。当時は飛行機もなく、船で何日もかけて欧米に行っていたので、日数のずれなど実感がなかったのかもしれません。まして時間のずれなど、まったく知らなかったかもしれません。飛行機による旅行が普及して、初めて時差を意識できるようになります。自分の時計と現地時間の誤差を誰もが認識します。また身体の体内時計による不調も実感します。こういう地域時差が問題になる場合はグリニッジ標準時間GSTが用いられています。しかしなぜか世界標準暦というのは未だにありません。暦は文化や宗教との関連が強く、日本でいう新暦を採用していない国が世界には多く存在しています。日本では新暦とか西洋歴といいますが実際はキリスト教暦です。
暦を西洋風にしたのに、なぜか曜日は陰陽五行説を採用しています。そもそも1週間という考え方自体がキリスト教で、キリスト教圏の国の曜日名や月名はローマ神話やゲルマン神話が基盤となっています。ところが明治の新暦では月の名をそれまでの旧暦名から数字に変更しました。それが合理的と考えたのでしょうか。一方で週の名は数字でなく、陰陽五行説で配置しています。西洋の神話の名前は採用していません。一週間という最も宗教性が強い制度の命名に、日本古来の陰陽五行説を当てはめるという不思議な作業をしています。そしてその名前の由来は説明しないまま今日に至っているため、日本人のほぼすべてが曜日の意味を知りません。そして英語を習う時、曜日名を覚えなくてはならず、月名も覚えなくてはなりません。しかも語源が古いため、変則的な綴りと音になっています。英語以外の西洋語を学ぶたびに覚えなくてはならないのです。暦は日常生活に不可欠なものですから、よく考えて使いやすいものにする必要があります。旧暦は自然と共生してきた伝統の集積ですが、明治の無知蒙昧の役人の失敗が今も続いています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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