VE, May 8


戦場

5月8日は欧州ではVEです。VEというとバーチャル何とか、と思われるかもしれませんが、Victory in Europe Dayといい、日本ではなじみのない祝日です。1945年5月8日、第二次世界大戦を起こしたドイツが、連合国軍に対して降伏文書に調印して無条件降伏したことを記念しています。連合国がヨーロッパにおける勝利を記念して設けた祝日で、当時、戦勝国では各地で大規模な祝典が開催された。特にロンドンは盛大で、厳しい経済環境の中、100万人以上の群集がカーニバルのような雰囲気の中で欧州戦線の終わりを祝った、とされています。今年は英王室の戴冠式が6日に行われるので、その直後のVEがどうなるのか、興味があります。イギリスと日本では8時間の時差があり、日本が先ですから、日本が英国のニュースを報道するのは翌日になります。英国の時間BSTは正に世界標準時(UTC協定世界時)ですが、現時点はサマータイムで+1時間です。時間という点では日本はG7の中で最先端です。

「戦勝国」である英国、オーストリア、フランス、ポーランドなどでVEが盛大なのは理解できますが、ドイツでもMay 8は「ナチスに抵抗した人々の死を悼む日」ということで式典があるそうです。つまりドイツ国民はヒトラーのナチスに支配されていた、という「反省」をした、ということになっていて、日本はそういう反省をしていない、という批判が「日本に対する戦勝国」から浴びせられます。実際、日本でも「あれは軍部に支配されたから」ということにしている人々がいます。ドイツの場合、ヒトラーのナチス党は選挙で選ばれていますから民主的な選択です。国王の独裁ではないので、ドイツ国民が選んだのですから、選んだ国民に責任があります。日本は天皇を国民が選挙で選んだ訳ではないので、国民に責任はない、という論理です。しかし実際にドイツは反省したから許されて、日本は反省がないから許されない、というのは合理的判断とはいえません。そしてなにより奇妙なのは日本に戦勝した米国の戦勝記念日VJ(Victory over Japan Day)は9月2日で、日本人のほとんどはこのことを知りません。8月15日の天皇の玉音放送の日が終戦記念日となっていますが、実際にポツダム宣言を受諾したのは前日です。歴史では昭和天皇が「降伏文書調印に関する詔書」を発し、降伏文書への署名及びその履行等を命じ、東京湾上のアメリカ戦艦ミズーリにおいて、日本側を代表して重光葵外相、梅津美治郎参謀総長、連合国を代表して連合国最高司令官のマッカーサーが降伏文書に署名した、とあり、トルーマンはラジオ演説を行い、日本が正式に降伏したこの日を“VJデー”とする、と宣言したのだそうです。当時、米軍は日本を占領支配していたのですが、どうして終戦記念日を9月2日と強制しなかったのか不思議です。

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