天皇誕生日

天皇陛下、お誕生日おめでとうございます。
昭和、平成、令和を生きている人間にとって、天皇誕生日は3種類を体験しています。それだけ長く生きられた、ということに感謝すると同時に、元号の変遷を感慨深い思いで味わっています。昔は元号の変遷はしばしばありました。天皇の交代だけでなく、時代が良くなかったり、不吉なことが起こると改元が行われました。天皇の交代による改元に固定されたのは、明治以降ですが、令和だけは例外的に、崩御によらず譲位による交代で、歴史的転換点といえます。
天皇と皇室、そして皇位継承問題は、人々にいろいろな意見があり、歴史観や政治思想も絡む複雑な問題です。とくに現在は、微妙な問題が多く、意見が分かれています。天皇家の行動は一般家庭とは異なり、皇室典範という一種の法律で規制されています。現在の皇室典範は、1947年(昭和22年)に施行されました。これは昭和天皇の時代、新しい日本国憲法と同時にスタートしています。戦前の皇室典範(1889年制定)は「大日本帝国憲法」とセットで存在していましたが、戦後は天皇の位置づけが大きく変わりました。憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である。」とあります。つまり、統治権を持つ存在ではなくなったわけで、「象徴」としての天皇の在り方を具体的に規定しているのが皇室典範です。内容は、皇位継承のルール、皇族の範囲、結婚や身分の規定、摂政(天皇の代行)、皇籍離脱 などです。現行では「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを継承する。」と定められています。「男系男子」とは①男系=父方をたどって天皇の血統につながること。②男子=男性であることで、女性天皇は歴史上存在しましたが(例:推古天皇)、現行法では女性は即位できません。しかし、これでは次第に継承者が少なくなってしまう原理で、やがては天皇がいなくなってしまうことになります。皇室典範は「法律」であり、国会で改正できます。つまり、憲法ではないのです。
天皇は政治権力を持たない「象徴」です。では、その象徴性は血統に依存するのか?それとも制度の継続に依存するのか?という問題です。もし象徴が制度的役割なら、理論的には継承ルールは可変です。しかし、象徴が「歴史的連続性の体現」だとすれば、血統は極めて重要になります。日本の天皇制は「宗教でもなく、単なる政治制度でもない」という中間的存在であることです。
まるでシュレディンガーの猫のように、伝統であり近代制度でもあるわけです。シュレディンガーの猫とは、「『50%の確率で毒ガスが出る装置』と『猫』が入った箱があるとします。猫は箱を開けるまで、死んだ状態と生きている状態の両方の性質をもって存在するか・否か」という問題です。これは現在話題の量子力学の話題でもあります。天皇という伝統的な存在と最先端とされる量子力学がつながる、というのもおもしろいですね。天皇誕生日に、いろいろ思考を巡らせてみてはいかがでしょうか。
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