シュークリーム
5月19日はシュークリームの日だそうです。19(じゅうく)がシュークリームという音に似ているからだそうで、もはや語呂合わせでもないのです。昔「ウルトラマンの年は?」というクイズがあり、答えは「18(シュワッチ)」というのがありましたが、ダジャレにしても、サムいギャグ並みです。
シュークリームというのは完全な日本語で、元はフランス語のchou a la creamシュ・ア・ラ・クレームからきたようです。フランス語のシュはキャベツのことです。形がキャベツということよりも、ふわふわの皮がキャベツを連想するからのようです。英語ではcream puffです。パフは化粧道具と同じ語で、ふわふわという擬音語です。化粧道具の方はpowder puffというそうで、女性用ということで女子野球をpowder-puff baseballというような用法もありましたが、差別的なせいか、男性も化粧するようになったせいか、死語になっているようです。
英会話などでシュークリームというと、shoe creamの意味にとられます。もっとも最近は革靴を靴クリームで磨くということも稀になってきたので、「アイ・ライク・シュークリーム」といっても怪訝な顔をされるだけで終わるかもしれません。そもそも英米圏ではcream puffも日本ほど広範囲に売っていません。イギリスではprofiteroleプロフィットロールという小型のシュークリームにチョコレートをかけたものが人気のようで、何段にも積み重ねたりして、結婚式などのお祝いのお菓子のようです。キャベツというより芽キャベツのような感じです。
例によって、シュークリームは日本で進化し、大型になったり、中身が生クリームやカスタードとのミックス、小倉あん、抹茶、フルーツなどもあります。生地もクッキー生地のものもあります。
本場フランスでは細長いものをエクレア、リング状のブレスト、クロカンブッシュ、シューケットなど、シュー生地のお菓子の進化形がいろいろあるそうです。フランスと日本では文化が異なるので、異なる進化をするのが当然ですが、フランス食好きの日本人ですから、そのうちブームとして入ってくるかもしれません。
外国人旅行者はコンビニでシュークリームやいろいろなケーキ、和菓子が安く売られているのに驚くようです。こういう生菓子が普及した背景には冷蔵庫の普及と関係があり、シュークリームの普及と冷蔵庫の普及時期が一致しているそうです。和菓子でも生菓子が増えたのは最近のことで、伝統的な和菓子である羊羹や最中、饅頭、せんべいなどは冷蔵庫のない時代から食べられてきました。菓子文化も奥が深いです。
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