トイレの文化
トイレの違いについては多くの人が書いていますが、意外に世間に知られていません。トイレは文化圏によってかなり異なるのと、あまり公開されていないことが多いため、現場でショックを受けることが多いからでしょう。またいわゆる下ネタになるので、おおっぴらにはいいにくい、という事情もあります。
最近の日本にはデザイン性の高いトイレや豪華なトイレがあるのを見て、外国人は驚きます。そもそも外国旅行をしていて一番困るのはトイレです。その国の文化を知らないと、どこにあるのかもわかりません。観光地などでは目立たないような所に設置してあり、サインボードを見て探すか、案内図を頼りに探し回ることになります。街中だとさらに厄介で、お店で買い物をしたついでに聞くとか、ホテルを探すなどの手間がかかります。あるいは有料トイレもあり、小銭がないと困ります。おつりをくれないのです。お札を出すと規定料金以外はチップというルールになっています。最近はPayなどが普及したので、どうなったのか気になるところですが、しばらく海外旅行していないので、よくわかりません。
トイレで一番違うのはドアや仕切りのあるなし、です。ドアがない国では、恥ずかしいということより、個室内での治安を守るために、わざとなくしている場合もあります。トイレ内ではあまり会話をしないことが多いのですが、ドラマなどでは、男性が隣の人と話をしたりするシーンが出てきます。たいていは知り合いですが、実際の場面では他人でも話しかけることがたまにあります。欧米では相手に声をかけるのは、話がしたいからではなく、安心するため、自分を守るため、ということもあります。話しかけても返事をしてこない場合は、相手が敵意をもっていたり、襲おうとしている場合が多いという事情です。それほど公共スペースは警戒すべき、というのが日本国外の常識です。日本の治安が良い、という時、犯罪の少なさではなく、こうした公共スペースで警戒しなくてもよい、という意味であることは知られていません。日本人は海外でも周囲を警戒しながら歩くとか、ひったくりや置き引きに常に注意する、という習慣がありませんが、それは「日本の常識」であって海外では通用しません。
日本のトイレで特徴的なのは温水洗浄便座です。ほぼどこにでもあるのが驚きです。
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