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排他
包括の対語が排他exclusiveです。排他とか閉鎖というと否定的なニュアンスがありますが、この語には「高級な、上流の、特定の人とだけ交際する、人付き合いの悪い、お高くとまった、ほかで入手できない、高級品を扱う」といった意味もあり、副詞にしてexclusivelyというと「もっぱら、独占的に」といった意味になります。他を排除する、ということは、優位的な地位を確保することになるわけです。英語では独自・・・
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包括
最近、インクルーシブという用語が頻繁に使われるようになりました。英語のinclusiveの借用語なのですが、本来の訳語は「包括的」です。的がついているので形容詞ですから、元の日本語は「包括」です。ところが包括を和英辞典で引くとinclusivenessとなっています。英語の派生では動詞includeが形容詞になってinclusiveとなり、さらに名詞に派生してinclusiveとなったのです。 日・・・
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母語話者崇拝
昨日は八十八夜でした。茶摘み歌で有名ですが、夏が近づいてきているというわけで、もうそんな時期なのか、と思う人も多いことでしょう。こういう感覚は日本人独特のものです。こういう習慣の意識というのは、そこに育った人がもつ文化です。世界のどこの人でも、そこで得た文化の感覚は自然と頭に浮かぶものです。そういう文化の1つが言語です。八十八夜にしても、そういう表現があり、歌を連想し、夏を連想していく、という脳の・・・
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個別言語学と一般言語学
言語研究の方法には、特定の1つの言語だけを研究する分野と、広く複数の言語や人間の言語の一般性を研究する分野があります。前者が個別言語学あるいは特定言語学、後者を一般言語学といいます。わかりやすく言えば、前者の例が国語学、後者がいわゆる言語学です。 1つの分野を深く掘り下げていく研究方法を深化と呼んでいます。反対に広く一般性を追求する研究方法が一般化です。この2つは概念的には対立しているように見えま・・・
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実感と体感
実感も体感も脳の判断ですが、実感がメンタル(精神的)であるのに対し、体感はフィジカル(肉体的)な感覚であるところが異なります。体感は知覚から来るものなので、感情への影響はそれほど大きくないのですが、実感の方はメンタルなので、納得感のような感情に作用します。 日本語で考えるとなんとなく意味が似ているような感じがしますが、英語では名詞ではなく、動詞で表現することが多く、「実感する」はrealize、「・・・
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ニュアンス
「私の表現のニュアンスがうまく伝わっていない」という経験は誰にもあると思います。この意味は「伝える側の意図」が受け手にうまく伝わっていない、ということで、メッセージの発信側の気持ちがニュアンスということになります。言い方を換えると、メッセージに込められた意図は発信側と受信側では違いがあるということになります。普段、この違いはあまり意識されることはなく、通信によるメッセージは「正しく」伝わるという前・・・
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Spring is come.
Spring is come.と聞いて、「?」と思う人、懐かしいと思う人、「間違っている」と思う人、いろいろなのではないでしょうか。ある世代から上の人なら、昔の英文法の本にほぼ必ず載っていた「現在完了形の例外」として、「be+過去分詞」の例文になっていたので記憶の片隅にあるかもしれません。英語の現在完了形はhave + 過去分詞ですから、その例外になるわけですが、実際には日本語にないニュアンスがあ・・・
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言語起源論4 言語学と宗教の関係
言語起源論のうち、言語普遍論は統一の祖先という思想であり、これはユダヤ教、キリスト教、イスラム教という唯一神を信仰する宗教の教義と一致します。ただし、インドはバラモン教から仏教、ヒンドゥ教へと変化してきても多神教なので、この思想とは一致しません。しかし唯一神を信仰する人々の間では、祖語があるということが人類共通の祖先となる語があるという思想と結びつきやすく、同時に言語は人間だけのものである、という・・・
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言語起源論3 と 比較言語学
言語起源論は哲学的問題もあります。むしろそちらの方が重要なのかもしれません。3月3日は「耳の日」ですが、とくに聴覚について考える日であり、聴覚の重要な機能である言語について考える日でもあります。そこで言語に対する2つの対立的概念について考えてみます。 言語学では昔から現在に至るまで、言語普遍論と言語相対論という対立する思想が支配しています。言語普遍論と名前はいかめしいですが、要するに人間の言語は1・・・
言語起源論2
言語起源論はオノマトペ説と身振り説に分けられる他、生得説と環境説に分けることができます。生得説というのは、言語は人間という種に固有に存在し、生まれながらにその学習機能が備わっている、あるいは本能だという考えです。それに対し、人間の言語習得は真っ白な状態から始まり、周囲から情報を習得することで発達していく、というのが環境説です。むろん、両極端ではなく、どちらの説も程度問題というか、言語データの重要性・・・
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言語起源論
ここ数年、言語学の世界で言語起源論が盛んになってきました。約百年位の周期で論争が起こります。昔の言語は文献以外の証拠がなく、文献発生以前の言語については明確な証拠がない推論のため、結論が出にくいのが最大の原因です。人類の歴史は化石という物理的な証拠があり、形態的な変化も測定できるので、進化過程も具体的に証明できます。化石の骨格から、喉の器官などの形状は推定できますが、音声そのものの痕跡はなく、あく・・・
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形態素(接辞)からの借用語
12月2日のコラムでレトロのような接辞からの借用で日本語になっているのは「例外的」と書きましたが、調べてみると、けっこう例がありました。お詫びしつつ訂正したいと思います。 まずレトロと同じパターンの借用として、アンチunti、マルチmulti、ミスmis などがあります。アンチは「反対」という意味でほぼ独立的に使われますが、どこからこの用法が広がったのか不明です。英語としてはantithesis(・・・
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ネイティブにはなれない
語学留学はお金も時間もかかるので、誰にでもできるものではありません。しかもよくある短期留学ではほとんど効果は期待できず、長期にいても現地に溶けこまなければ上達しません。言い方を換えるとコスパの低い効率の悪い言語学習法といえます。 そもそもネイティブ並みに自然に英語が出てくるという夢そのものが間違いといえます。ネイティブnativeというのは生まれつきと言う意味で、本来はnative speaker・・・
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現地留学の効果
語学のために留学するのは効果があるといわれています。言語習得に必要な時間が3万時間だとすると、現地にいけば、1日16時間は現地語に接します。しかし現実にはしばらくすると夢にまで現地語が出てきます。実際は20時間は接しているといえます。それを単純計算すると、3万÷20=1,500日つまり50カ月、50÷12=4余り2です。つまり4年間、現地で日本語抜きで生活すれば、母語並みに操れるようになる、という・・・
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言語習得にかかる時間
「子どものように外国語が習得できたら」とか「子供のうちに外国語学習を」と考える人がけっこう多いのに驚きます。では子どもが母語を習得するのにどのくらいの時間がかかるか計算してみましょう。まず赤ちゃんは1日のうち、ほとんどを寝て過ごします。新生児の睡眠時間は15-20時間だそうです。4カ月を過ぎる頃から12-16時間になるそうです。言語は起きている間しか接触できないので、細かい計算は脇において、12カ・・・
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定型文記憶練習法
短文記憶法については公開されているものがありますので、まずはそちらをご参照ください。https://www.shuwa-study.net/hiden/ 無料で公開している秘伝です。この「秘伝」では文の後ろから覚える技法を紹介しています。 普通、文を覚えようとする場合、文の最初から覚えようとします。そしてせっかく覚えた文もいざ試験の時になると、最初の方だけ出てきて、途中からウロ覚えになりがちです。・・・
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短文定型文の記憶の有効性
入試問題対策であれば、英借文という技法も有効ですが、英会話など実用的な場面では、使用状況が限られるのと、即時性が求められるので、ゆっくり考えるのではなく、条件反射のようにやりとりすることが必要です。そのためには、限られた数の定型文を繰り返し訓練することで、「何も考えずに」口から出てくるようにする必要があります。一方で、聞き取りも、いちいち解析して解釈する必要はなく、状況が大体わかればよいのです。 ・・・
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英作文は英借文
形態素解析による機械翻訳はオーソドックスな技法ですが、かなりの労力と計算が必要になります。一般に翻訳機や翻訳システムと呼ばれているものはそれほど本格的なものではなく、状況を限定して、文ごとの変換をしているものがほとんどです。最近のchatGPTについて、詳細は知らないので断定はできませんが、結果を見ると、にたようなシステムであることが推定されます。 学校の英語の時間で、英文解釈というのは文法的な設・・・
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形態素辞書の実例
形態素解析が機械翻訳には重要であることは何となくおわかりいただいたと思います。しかし実際に形態素辞書を見たことのある人は少ないと思います。実際にはよく使われている技術なのですが、機械の中のシステムなので、一般の目に触れることはまずないものです。この技術は自然言語処理と呼ばれていて、大学や専門企業でシノギを削っている技術でもあります。形態素解析は自然言語処理の肝となる技術で、文章を意味の最小単位であ・・・
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日本語の形態構造分析
ローマ字で活用を書くと、音素的視点から日本語の形態構造が違って見えます。「歩く」arukuは歩かないarukanai、歩きますarukimau、歩くaruku、歩く時arukutoki、歩けばarukeba、歩けarukeとなりますが、この分布の中で、変化しない共通部分を取り出すと、arukが共通で、変化部分はa,i,u,u,e,eとなることがわかります。同じように「分析する」をローマ字表記すると・・・
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