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コラム Articles
包括

最近、インクルーシブという用語が頻繁に使われるようになりました。英語のinclusiveの借用語なのですが、本来の訳語は「包括的」です。的がついているので形容詞ですから、元の日本語は「包括」です。ところが包括を和英辞典で引くとinclusivenessとなっています。英語の派生では動詞includeが形容詞になってinclusiveとなり、さらに名詞に派生してinclusiveとなったのです。 日・・・

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古典に学ぶ

専門分野によっては、古典を蔑み、最先端であることを自慢する論文をよく見かけます。自論の新奇性を主張するのはかまわないのですが、古典を蔑む必要はまったくありません。もしその自論が定説化すれば、やがて近い将来、自身が古典扱いされることは間違いないからです。学問を今だけのものと考えるのが間違いなのです。学問は過去から現在まで続いていて、さらに未来へと続いていくものです。その意味では最先端をありがたがる意・・・

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ものの始まり(起源)と終わり(終焉)

このコラムでも起源をいくつか説明してきました。何事にも始まりと終わりがあるのですが、始まりと起源はよく誤解されます。始まりは突然、そこから始まるのではなく、つねにその前に準備期間とか潜在期間があります。たとえば会社の始まりは設立ということになりますが、設立の前には資金集め、場所探し、人材確保などの三資源を確保し、準備を整えてから、通常だと登記という方法により、社会的認知を受けて、活動を開始すること・・・

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卯月朔日

旧暦では今日からようやく卯月に入ります。なぜウヅキというのかについては例によって諸説あるようですが、ウツギ(空木、卯木)の花が咲く頃だから、という説があります。卯の花というと豆腐のおからで作った料理の方が有名かもしれませんが、「卯の花の匂う垣根に時鳥(ホトトギス)、早も来、鳴きて、忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ」という有名な歌曲『夏は来ぬ』が浮びます。この歌は作詞佐佐木信綱、作曲小山作之助により・・・

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専門分野の融合化

現在、いろいろな専門分野で分散化が進んでいます。とくに顕著なのが医学と工学でしょう。専門家が進むということは深化の結果であり、それ自体は歓迎すべきことかもしれません。しかし利用者からすると、より不便になったことは否めません。たとえば病院に行っても、あちこちの科を受診することになるのですが、どの科に行けばいいのかは素人にはわからないので困ります。総合受付のようなものがあるところもありますが、いきなり・・・

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社会変数の変化

社会変数は社会学的研究のために設定される社会集団の分類です。集団をどのように分類するのが便利なのかは時々によって変化し、また分類者の主観によって左右されます。たとえば学歴については、少し前までは中学卒、高校卒、大学卒であったのが、最近は大学院卒が付け加えられ、中学卒はないことが多いです。これは教育の高等化といえます。アメリカでは博士号(Ph.D.)が大学院卒と同じ意味なので、社会変数としてよく使わ・・・

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立夏

5月5日は立夏です。正確にいうと閏年でない年の立夏が5月5日で、閏年は1日ずれて5月6日が立夏になります。二十四節気では、夏を「立夏」「小満」「芒種(ぼうしゅ)」「夏至(げし)」「小暑(しょうしょ)」「大暑(たいしょ)」の6つの節気に分けています。七十二候では次のように分類されています。 初侯:蛙始鳴(かわずはじめてなく)蛙(かえる)が水田で鳴き始める頃です。カワズはカエルの古語で、芭蕉の句で知ら・・・

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社会変数

本人の主観であるアイデンティティの逆で、客観的な立場から人を分類する手法の1つが社会変数social variablesという概念です。アンケートなどで、性別、学歴、収入などを書かせられることがありますが、あれが社会変数です。アンケートが集まったら、その社会変数ごとに分類し、調査結果との関連を統計数学的に分析するのが一般的な社会学の基本的な手法です。統計学的には社会変数同士の関連、関連係数を計算し・・・

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言語と自己同一性

近年はLGBT問題など、「自分はどういう人間か」というアイデンティティの問題がよく議論に上ります。LGBTは性同一つまり「自分の性は何か」という心の問題とされていますが、多くの場合、生物学的性と心的同一性は一致しています。しかし一致しない人がいて、それが社会的差別を受けることへの解放運動ということができると思います。しかし言語表現を見るとLGBまでは性行為における嗜好の問題で、アイデンティティとは・・・

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母語話者崇拝

昨日は八十八夜でした。茶摘み歌で有名ですが、夏が近づいてきているというわけで、もうそんな時期なのか、と思う人も多いことでしょう。こういう感覚は日本人独特のものです。こういう習慣の意識というのは、そこに育った人がもつ文化です。世界のどこの人でも、そこで得た文化の感覚は自然と頭に浮かぶものです。そういう文化の1つが言語です。八十八夜にしても、そういう表現があり、歌を連想し、夏を連想していく、という脳の・・・

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メーデー

メーデーは日本語でも音韻が似ていて覚えやすく言い易い表現ですが、英語のMay Dayも語呂がよい表現です。言い易く聞き取り易い、ということから、航空機が緊急事態に陥った時のパイロットの無線はmay-dayと叫ぶことになっています。SOSの方はモールス符号が基本だった時代に「・・・―――・・・」という発信しやすく聞き取り易い記号だっfたことによります。無線信号がモールス符号から音声信号に変わったこと・・・

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