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言語技能測定技術と言語教育理論⑤ 使用語彙測定技術
手話技能検定試験のレベルの設定において、「理解語彙と使用語彙」という概念を用いています。下級レベルは理解語彙と簡単な文法が含まれる文型の試験です。理解語彙は上級者になると、個人差や学習経験による差が大きくなり、試験範囲の公開も困難になってきます。そこで、上級者には使用語彙の測定と文法習得を測定する必要があります。これは手話をビデオで提示して、選択肢で回答を得る、という方法では不可能です。受験者に手・・・
言語技能測定技術と言語教育理論④ 理解語彙と使用語彙
手話技能検定試験のレベルの設定において、「理解語彙と使用語彙」という概念を用いています。たとえば、大阪地方に住んでいる人は普段、「大阪弁」を「使用」します。東京地方に住んでいる人は普段、「大阪弁」は「使用」しませんが、「大阪弁」はほぼわかります。この例でわかるように、人は自分の使う語の何倍もの語が理解できます。そこで自分の使う語群を「使用語彙」、理解できる語群を「理解語彙」と呼びます。母語話者は使・・・
言語技能測定技術と言語教育理論③ 語彙と文法
手話技能検定試験のレベルはまず、語彙の難易度。そして次が文法です。語学において、まず語彙学習というのは常識的で、この段階までは楽しいのが普通ですが、学習者の誰もがつまづくのが文法です。文法にも難易度があるのですが、手話文法がまだよくわかっていない時代であり、そもそも文法書がないので、語彙のような頻度統計もとれません。しかし、どの手話にも「あいさつ」などは載っており、基本文が紹介されています。そこで・・・
言語技能測定技術と言語教育理論② 試験範囲の公開
手話技能検定試験は手話の言語的特性に鑑み、他の言語検定とは異なる方法をいくつかとっています。その1つが「試験範囲の公開」です。この方法は手話検定独自の手法なのですが、後発の全国手話検定も同じ手法を採用しているのは、理由が不明です。試験範囲が公開されている、ということは受験者にとって、受験しやすいことが想定されます。なぜこういう手法を採っているかというと、手話検定は高校受験などのような入学試験と違い・・・
言語技能測定技術と言語教育理論① 言語変種
言語使用の技能として、受容技能よりも産出技能の方がむずかしい、ということは英語を習った経験から実感できます。しかし手話学習では、手話をすること(産出)よりも、読み取り(受容)の方がむずかしい、という話をよく聞きます。これはなぜでしょうか。英語教育の場合、文字を用いた「読み」つまり英文解釈と「書き」英作文では、確かに英作文が苦手の人がほとんどです。英会話においても、聞き取り(聴解)と発話を比べると、・・・
手話技能検定の理念と言語技能
手話技能検定協会の設立時と現在では24年の経過があり、その間に政府の制度はめまぐるしく変わりました。しかし当協会では今も設立以来の理念を守っており、基本技法は変わりません。理念とは、「手話は言語である」という前提で、英語検定や日本語検定があるように、言語としての検定試験が可能である、という思想です。今では「手話が言語である」ことは当たり前のように思われていますが、設立当時は反対意見の人々が多く、「・・・
手話技能検定協会創立記念日
平成13年1月31日、特定非営利活動法人手話技能検定協会は総理府(当時、現内閣府)の認証を得て、正式に発足しました。法人登記では翌2月1日ですが、当協会ではこの日を創立記念日としています。任意団体としての協会の発足は前年10月1日ですが、公示期間などの条件があり、正式に認証されたのはこの日です。当時、NPOの認証は、地域的活動の場合は県に、全国的な場合は総理府に申請することになっていました。その前・・・
Sign Language Studies 15
書名 Sign Language Studies 15 概要 Sign Language Studiesの編集者の一人であるGordon Hewsの論文が掲載されている。彼は一度だけ来日したが、評価は高くなかった。彼は新デカルト主義者であるチョムスキーを批判しており、来日当時の日本は生成文法を学ぼうという人ばかりであったから、哲学的な講義に対して理解できなかったのと興味がなかった。私自身は興味が湧・・・
Sign Language Studies 14
書名 Sign Language Studies 14 概要 手話と生物学の関係のみならず、視野を広げて、性教育や性用語の通訳についても言及するWoodwardの論文が載っている。1977年当時、すでにgayやlesbianなどによる分類があり、差別について厳しい論評をする彼の視点がわかる。現在話題のLGBTは昔から米国では差別の対象であった。ただこの時点ではTやQ、Aについては意識になかったよう・・・
Sign Language Studies 12
解説 本号から生物学との関連を進めるという宣言が冒頭にあります。ストーキーらはこの論文で聾社会の実態の社会学的調査をしています。アメリカにはいくつもの社会集団があることが前提なので、いわゆるエリートの聾者がどの集団に属し、指導者となっているか、またその相関関係を示しています。日本では「団結を壊す」として調査そのものに運動団体から反対されると思います。日本の手話・聾研究はアメリカからの輸入ですが、こ・・・
Sign Language Studies 11
書名 Sign Language Studies 11 概要 手話と聾児との関係や手話の言語習得に関する論文が集められている。アメリカ手話の場合だけでなくトルコのケースも言及されている。また言語起源論も掲載されている。手話研究の視野が広がってきた傾向を示す号である。 "
Sign Language Studies 10
書名 Sign Language Studies 10 概要 Stokoe, Woodward,Battison,Jordanなど後に著作を出した人々のベースとなる論文が掲載されている。テーマは外国手話(アメリカ手話以外)との比較。
Sign Language Studies 9
書名 Sign Language Studies 9 概要 カナダの木工所のサイン、身振りと言語起源の問題など、手話を広く捉えた論文が掲載されている。この頃から、聾者の手話だけでなく、いわゆる業界のサインなども視野に入れる視点が示されている。Kendonのgestuculation(身振り化)というコミュニケーション方法の提案はHewsの言語起源論を発展させたものである。
Sign Language Studies 8
書名 Sign Language Studies 8 概要 Klima &Bellugiが後の著作のベースとなる手話の詩的特徴について、Goldin^Meadowがホームサインの発生について、Chavesはスペインの修道院における聾教育について、Hansen&Olsenはデンマーク手話の特徴について、Taylorは英語と日本語の前置詞や助詞のエラーが聾児に見られること、Barakatはシトー派修道・・・
Sign Language Studies 7
書名 Sign Language Studies 7 概要 手話に関する心理言語学、社会言語学からのアプローチの古典。手話習得、ろう文、ろう児の親の心理などに関する論文を掲載している。
Sign Language Studies 6
書名 Sign Language Studies 6 概要 編者のストーキーが指摘しているように、準備段階、日本でいう研究ノートのような参考文献リストが掲載。日本では論文リストだけでは評価されないが、アメリカでは関連文献リストだけでも評価対象となる。
Sign Language Studies 3
書名 Sign Language Studies 3 概要 クシェルのレンネル島手話、ウッドワードのPSEなど画期的な論文が掲載されている。
Sign Language Studies 2
書名 Sign Language Studies 2 概要 執筆者も急増したSLS2。編集者制となる。Woodwardの初期論文が注目。
Sign Language Studies 1
書名 Sign Language Studies 1 概要 1972年、オランダ・ハーグのムートン社発行。アメリカ手話学の記念すべき専門誌。