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考証を考証する
最近のテレビドラマを見ていると、考証不足が目につきます。アニメの方は聖地巡りがブームのこともあって、背景の実地検証とか時代考証などをかなりきちんとやっています。昔のアニメは製作上の制限もあって動かない背景とか適当な街並みを描くのが普通でした。なのでディズニーアニメで周囲の動物や植物が動くというリアリティに人手と時間をかけてきたことが感動を呼ぶ理由でもありました。初期の日本アニメは主人公の動きだけを・・・
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牧氏事件
元久二年(1205)閏文月二十日、幕府内で完全に孤立無援になった北条時政と牧の方は出家し、鎌倉から追放され伊豆国の北条へ隠居させられることになった事件です。 時政はその後、二度と政界に復帰することなく建保三年(1215)、北条の地で死去。牧の方も夫の死後は娘を頼って上洛し、京都で余生を過ごしました。北条氏の第2代執権には義時が就任して北条氏は幕府内における地位を確固たるものとなりました。 その前の・・・
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お盆と盆踊り
お盆に行うので盆踊り、というのは当たり前のことですが、案外単なる夏祭りだと思っている人が多いです。世界のどこにでも歌と踊りがあるのは共通ですが、日本の盆踊りには歴史があります。起源は鎌倉時代の踊り念仏だそうで、一遍上人が開祖である時宗(じしゅう)で広がったようで、今でも藤沢の遊行寺(箱根駅伝の途中に有名な坂があります)では全国から踊り念仏の人々が集まってきます。念仏とはナムアミダブツであり、他の念・・・
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中元
お中元として贈り物を送る人は多いのですが、その意味は意外に知られていません。中元とは昔の中国の道教の思想の1つ三元がもとになっています。三元というと今や三元豚とか麻雀の第三元しか思い浮かばないと思います。道教の三元とは上元、中元、下元のことで、それぞれ旧暦の1月15日、7月15日、10月15日になっています。三元の思想では三元は1年を3等分ではなく、2:1:1(6ヶ月・3ヶ月・3ヶ月)に分け、いず・・・
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江戸から東京へ
慶応四年、江戸が東京になりました。これは1本の明治天皇の詔勅「江戸ヲ称シテ東京ト為スノ詔書(えどをしょうしてとうきょうとなすのしょうしょ)」によって決まりました。通称の「東京奠都の詔」という表現は、後年に至って用いられたものらしいです。内容は簡潔でwikipediaの現代語訳では以下のようになっています。 「私は、今政治に自ら裁決を下すこととなり、全ての民をいたわっている。江戸は東国で第一の大都市・・・
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一汁三菜
毎月13日は一汁三菜の日。夏はとくに栄養が偏りやすい時期なので、今月に話題として取り上げます。イチジュウサンの語呂合わせです。和食の基本なのですが、案外忘れられていると思われます。主食の御飯の他に汁物と主菜、副菜を2つという構成のことです。汁は味噌汁のことが多いと思いますが、とくに決まりはありません。主菜は伝統的には魚が多いですが、肉でもかまわないのです。副菜は煮物、酢の物が伝統的ですが、炒め物で・・・
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ハイジの日
8月12日はハイジの日だそうです。例の語呂合わせですが、ということは完全に日本だけということでもあります。アニメ「アルプスの少女ハイジ」は童話を原作とした日本製のアニメですが、海外でも放送されたため、スイス製またはドイツ製と思われていることもあるそうです。20年ほど前にスイスに行った時には現地の人は誰も知りませんでした。それは2019年までスイスでは放送されていなかったからだそうで、アルム地方を通・・・
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生類憐みの令
貞享二年文月十四日、江戸幕府は生類憐み(しょうるいあわれみ)の令を出したというのが通説ですが、歴史学者の間では議論があるようです。というのも生類憐みの令というのは一連の政策だからです。一般には犬公方(いぬくぼう)という綽(あだ)名と共に、お犬様の話ばかりが強調され悪法という例によく出されます。では現代の動物愛護法とどこが異なるのか考えてみます。日本の動物愛護法は欧米のキリスト教的な動物観が背景にあ・・・
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後鳥羽上皇
承久三年文月十三日、後鳥羽上皇は隠岐の島に流され、承久の乱は終わります。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のクライマックスはどうやら承久の変のようですから、今のうちにさらっと歴史をおさらいしておきましょう。 ドラマでは後鳥羽天皇はいきなり登場しますが、史実では壇ノ浦で安徳天皇が入水する前に後白河法皇は安徳天皇の異母弟である4歳の尊成親王を即位させ後鳥羽天皇にしました。この時、神器である神鏡剣璽は安・・・
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はりきゅうマッサージ
八月九日は語呂合わせでハリキュウの日だそうです。ちなみに鍼灸(しんきゅう)の日は4月9日で似たような日が年に2度あるのです。こちらは日本鍼灸協会が2017年の制定とか。ハリキュウの日は全日本鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会が2003年(平成15年)に制定したのだそうですから、こちらの方が古いようです。全日本と日本になっているので、どのギョーカイにもある分断というか、別行動というか、相克があるようで・・・
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八八
八月八日は語呂合わせしやすいので、いろいろな記念日あるだろうと思って調べてみました。 母の日は5月なのでまさかと思ったら、ババの日でおばあさんの日だそうです。敬老の日もあるのにと思ったら、2月2日をジジの日にするのだとか。よくわかりません。誰が提案したのかと思ったら伊藤忠食品株式会社だそうで、どういう意味があるのでしょうね。 歯が並ぶので歯並びの日。これは日本臨床矯正歯科医会の提案。これはわかりや・・・
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立秋
文月十日は立秋です。暦の上では今日から秋なのですが、まだまだ暑い日が続きます。それで「残暑お見舞い申し上げます」というお便りをだすわけです。いわゆる暑中見舞いは昨日までに出すべきもので、秋なのにまだ暑さが残っています、という季節感なわけです。 七十二侯では「涼風至」(すずかぜいたる)となり、秋の気配を感じるようにはなりましたが暑さは残っています、という正に残暑のことを意味します。実際、空の雲も入道・・・
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延喜式
現代の日本史教育では延喜式について学習することは少ないです。古事記や日本書記については誰でも名前くらいは知っているが、延喜式については宗教が絡むせいか、詳細を習う機会がほとんどないようです。延喜式は平安時代中期に編纂された三代格式の一つで、律令の施行細則をまとめた法典です。現代風に考えるなら、憲法の下にある六法のようなものです。三代格式のうちほぼ完全な形で残っているのは延喜式だけで、細目まで規定さ・・・
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太閤検地
天正十年文月八日、羽柴秀吉は所領の近江で初めて検地を行いました。これが太閤検地の始まりとされています。また天正十六年のこの日、刀狩令が発布され百姓から刀や鉄砲などの武器を徴収し、同時に海上賊船禁止令で水軍による海賊行為の禁止が行われました。これらは安全保障の内政として重要です。現在の銃刀法による日本に治安状態と銃規制のない米国との違いがその重要性を示しています。 太閤検地は納税の安定性という国家経・・・
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ハシの日
8月4日は語呂合わせのハシの日です。ハシにもいろいろあり、箸、橋、端など同音異義語の典型です。やはりご多分にもれず箸の会社が制定したもので、日頃お世話になっている箸への感謝という意味です。延命長寿と無病息災を祈願する日枝神社の「箸感謝祭」というお祭りもあるそうです。箸供養というのもあり、使わなかった箸は捨ててしまわないで、神社にもっていくと、この日にお炊き上げしてくれるそうです。道具を大切にする日・・・
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蜂蜜・鋏・鱧
この3つの共通点は何でしょうか。簡単な謎解きで、どれも8と3がついています。ハチミツ、ハサミ、ハモとカナ書きにすればすぐわかります。8月3日はこれらの記念日です。鱧は3がついてない、というクレームをつけたくなった方は、最近のクレーマータイプになってきていると思ってください。鱧は元々、あの鋭い歯で咬みつく=はむ、が語源で、関西では今でもハミと呼ぶ地域があります。それでハとミで8と3です。納得されたで・・・
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大雨時行
旧暦文月五日は大雨時行という七十二侯の1つです。たいうときどきにふる、と読みます。昔の大雨は今のような集中豪雨ではなく、夕立程度だったようです。夕立はユダチとも読み、歌にも歌われています。「夕立は馬の背を分ける」といい、局部的に降ることを意味しています。一度に激しく降る様子を「篠突く雨」という表現が講談や落語には出てきますが、篠とは篠竹のことで、細い竹が真っすぐ生えますから、篠竹が束になって刺さっ・・・
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地券
明治5年7月4日大蔵省は全国に地券を交付しました。地券とは今日の土地登記簿のことですが、日本では古くから税金のための検地が行われてきました。有名なのは太閤検地で天正10年(1582)から秀吉が死ぬ慶長3年(1598)まで続けられた全国規模の土地調査です。それ以前は平安時代の荘園公領制でした。太閤検地の目的は効率のよい収税で、複雑な土地所有関係を整理して、農民と土地をしっかり結びつけることでした。そ・・・
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ステルスマーケティング(ステマ)
ステルスマーケティングStealth Marketingとは消費者に広告と明記せずに隠して行う宣伝手法のことで、略してステマと呼ばれています。Stealthとは秘密とか偽装を意味し、steal盗む、の方は良く知られていますが、発音が変わるせいか、日本では普段は習うことの少ない特殊な英語でした。似たような語形変化と発音の変化でheal/healthがあります。ヒーリングとヘルスが同じ語から変化したと・・・
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薩英戦争
文久三年(1863)文月二日薩摩藩と大英帝国は戦闘に入りました。そもそもの原因は前年の生麦事件の解決と補償を求めた英国と、実力で要求を拒否する薩摩藩が鹿児島湾で激突しました。 日本での評価はそれほどでもないのですが、海外の歴史家はかなり驚いたようです。日本国と英国の国同士の戦いなら普通のことですが、一地方の軍と大英帝国がほぼ互角に戦ったのは特異といわざるをえません。 生麦事件とは薩摩藩国父島津久光・・・
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