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百八の煩悩
大みそかには除夜の鐘を衝くのが慣例です。大抵は順番で1回づつ衝かせてもらうだけですが、鐘を衝くという行為そのものよりも、除夜の鐘の音と共に一年の罪を懺悔し、煩悩を取り除き、清らかな身になって新年を迎えることが大切です。それで除夜というわけです。 煩悩は人間の心に起こる様々な欲望や執着のことです。これらの欲望や執着は人々を苦しめる原因となることがあります。3つの煩悩として貪欲、瞋恚(しんにょ)、愚痴・・・
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味噌の日
毎月30日は晦日(みそか)という月末の日で、月締めの場合の支払い日です。年払いの場合は翌日の大晦日が支払い日です。味噌の日はニクの日やニワトリの日と同様に毎月あるのですが、あまり広まっていない印象です。味噌汁は毎日飲むことが多いせいかもしれません。そして2月は30日がないので、味噌の日はないのです。 三十と書いてミソと読むのは三十路などで知られていますが、四十でヨソ、五十でイソと読むように十は古語・・・
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ニクとフクの日
12月29日はニクの日でもあり、フクの日でもあります。肉の日は毎月ありますが、福の日はこの日だけのようです。福の日は紀文食品が制定したそうで、お正月準備の日という商業戦略です。肉の日も肉屋さんやスーパーのセールですから、似たようなものです。どちらも語呂合わせなのですが、まず肉の話からします。 肉という日本語は牛肉、豚肉、鶏肉だけでなく、魚肉や果肉という表現もあるように、皮の内側の実の部分を指してい・・・
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今年最後の庚申
12月28日は旧暦の庚申(こうしん)で、今年は7回あり、最後の庚申の日です。今日、庚申の日の行事をしているのは数少ないですが、江戸時代までは盛んに行われていました。その痕跡として庚申塚や庚申塔が各地に残っています。庚申信仰は道教に説く「三尸説」(さんしせつ)を元に、密教や修験道、民間信仰や習俗などが組み合わさって成立したものとされていますが、明治時代に迷信として排除されました。三尸説とは人間の体内・・・
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宗教色が薄まると文化は広がる
天満宮への参道にある樹齢百年はあろうかという松の木の梢の上に、明けの明星がみえた時、まだうす暗い夜空に輝くVenusはとても美しいものです。ご来迎として日が昇る姿も美しいもので人気がありますが、日が昇ると星は消えていきます。 太陽を信仰する宗教は多く、宗教は光だとする宗派も多いです。しかし光が強いと星は消えます。光が強くない世界で星は光るのです。宗教を太陽、文化を星に例えると、宗教が強すぎる社会で・・・
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クリスマス・ディナー
本日は日本では12月26日ですが、日差があるため欧米ではクリスマス当日です。日本でクリスマス・ディナーといえば、24日の夜に食べるご馳走ではないでしょうか。しかし欧米ではクリスマス当日つまり25日の昼に食べるご馳走のことです。ディナーについてですが、日本ではほぼ夕食の意味で、昼に食べるのはランチです。そしてランチはディナーの簡易版というのがレストランのメニューになっています。しかしディナーdinn・・・
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ようやく師走
冬至の次の日は新年の元日ということを一昨日書きましたが、今年は旧暦の進みが遅く、新暦12月23日が新月で師走朔日です。正月は一カ月後なので、不思議な感覚になります。こういう暦のズレを不便と感じるか、おもしろいと感じるかは人それぞれです。コラムとしても、本当は一昨日書いた方が適切なのですが、当日分には書ききれなかったので、遅れてご紹介しています。もしこのコラムを25日にご覧になっているならば、今のア・・・
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降誕祭前夜
クリスマスの日本語訳は降誕祭です。イブは前夜ですから、クリスマス・イブの日本語は降誕祭前夜というのが正式でしょうが、誰もそういいません。ちなみにお釈迦様の誕生日は降誕会といいますから、区別されています。 日本ではいつのまにか、前夜もクリスマスと呼んでいて、祭当日はもう関係ないような雰囲気になります。クリスマス・イブに家族で食事するのが習慣化し、チキンを買って、なぜか苺のショートケーキを食べるのが定・・・
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冬至の翌日は元日?
冬至はこの日を境に日が長くなっていくことから、「一陽来復(いちようらいふく)」という新年の元日のような日です。古来から現在でも、冬至を境に日が長くなっていくので、だんだん暖かくなるようなイメージですが、実際にはこれから大寒など、寒さは増していきます。太陽が気温と関係があることは確かなのですが、現在の天気予報でも解説しているように、北方からくる寒い高気圧と南方から来る熱い高気圧が来るかどうかで気温が・・・
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冬至 winter solstice
一年で最も昼の時間が長くなるのが夏至、最も夜が長くなる冬至です。冬至は生命の象徴である太陽の力が最も弱くなる日であることから、「死に最も近い日」と考えられ、恐れられてきたという歴史があります。一方、この日を境に日が長くなっていくことから、陰の気が極まり陽の気に向かう折り返し地点とも位置づけられ、「一陽来復(いちようらいふく)」という、衰運をあらため幸運へと向かうみそぎの意味合いがあり、それで柚子湯・・・
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トイレの文化
トイレの違いについては多くの人が書いていますが、意外に世間に知られていません。トイレは文化圏によってかなり異なるのと、あまり公開されていないことが多いため、現場でショックを受けることが多いからでしょう。またいわゆる下ネタになるので、おおっぴらにはいいにくい、という事情もあります。 最近の日本にはデザイン性の高いトイレや豪華なトイレがあるのを見て、外国人は驚きます。そもそも外国旅行をしていて一番困る・・・
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風呂の文化
風呂とトイレは世界を見ると一番違う文化といえます。風呂は英語でbathですが、風呂のある部屋、風呂場はbathroonとなります。しかしbathroomはトイレの意味に使われることが多いです。Where is a bathroom?と言われて、風呂場に案内し、日本人も外国人も双方が困ったというエピソードは有名です。最近は日本でもユニットバスという施設があり、トイレと風呂が一緒になっていることは普通・・・
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門の文化
門は英語ではgateですが、門とゲートではかなり意味の違いがあります。ゲートといえば大きなものを想像しますが、門は大きな門から小さな門まであります。西洋のゲートは外と敷地の境界で、かなり大きな家や城、施設などに設置されています。そして建物にはドアがあります。日本の家屋にも同じ形式のものもありますが、武家屋敷や寺院などを見ると、立派な門の奥の建物には玄関があって戸はありません。寺の山門はあまりに立派・・・
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出窓と廊下の文化
出窓のある家とない家があります。どういう基準で出窓を作るのかよくわからないのですが、明り取りとしての窓の機能に鉢植えやぬいぐるみなどを置いて、室内インテリアとして人気があるようです。出窓には室内向けの飾りであると同時に、外部への飾りとしての機能もあり、ヨーロッパの街では出窓にたくさんの花が飾ってあって、町全体の風景になっていることも多いです。 日本の旅館では出窓が広くとってあり、そこに腰かけて外と・・・
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表札の文化
街を歩くとどの家にも表札が出ています。しかし海外ではまず見かけません。会社や施設に看板はありますが、個人の家で名前が表札になっていることはなく、家番号や住所が示されているだけです。郵便や配達はそれでできますから、名前は個人情報なとして秘匿されているのかもしれません。日本では苗字だけでなく、家族の名前も全部書いてある場合や、2世帯住宅では苗字が2つ書いてある家も珍しくないです。 日本でも昔から表札が・・・
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障子と襖の文化
襖や障子は日本では当たり前のものですが、日本独特のものです。扉としての機能と壁としての機能があり、開け閉めするという意味では扉ですが、すべて閉じれば壁の役割をします。襖は完全に閉じていますが、障子は一部をガラスにして外が見えるようになっているものもあり、窓の役割にもなっています。 そしてなにより、襖には絵が描かれています。外国でも壁に絵を描くことはありますが、外壁が中心で、家の中の壁に立派な装飾を・・・
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壁の文化
最近の日本の家はカラフルな壁の家が増えました。これは建築法の違いと建築材料の変化が理由だと思います。日本の古い家の壁は土壁で、竹で編んだ格子状の網の上に泥と藁を混ぜ込んだ土を塗りこんでいきます。そのままのこともありますが、大抵は上に漆喰などを塗ります。基本的に外壁では柱を露出することはあまりありません。 ヨーロッパの古い家の作りも似たような土壁が多いのですが、基本的に柱を見せることが多く、それがデ・・・
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屋根の文化
日本でも最近は瓦屋根の家が減りました。「鯉のぼり」という文部省歌の歌詞に「「甍(いらか)の波と雲の波~」というのがありますが、もう甍は死語かもしれません。意味は一般的には屋根瓦のことですが、大棟という切妻屋根のてっぺんを示すこともあります。屋根が続くさまを波に例えて、鯉のぼりが泳ぐ姿を例えています。 海外の家にも屋根がついていて、瓦屋根もありますが、日本の瓦とは異なります。ヨーロッパでは屋根瓦の色・・・
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間取りと寸法の文化
欧米の家に行くと、まず玄関の広さに驚きます。英語でentrance hallまたは単にhallというのですが、確かにホールというほど広く、ここで客を迎えるのがルールです。日本では玄関がある家でも、靴を脱ぐ程度のスペースで、よほどの大きな家でないと、接客するような畳の間はついていません。広い玄関の間にはたいてい衝立(ついたて)があり、奥は見えないようにしています。欧米の玄関は階段や客間などのドアが見・・・
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軒の文化
最近の家には軒(のき)が付いていません。日本の伝統的な建物には立派な軒がついています。お寺の山門や五重の塔などは、軒が大きく出張っています。この軒の美しさが日本建築の美しさを代表している、といっても過言ではないでしょう。 ところが、最近の住宅はのっぺりした壁で、中には箱のようなデザインの家も増えています。軒がなくなった理由は、都会の家では土地が狭く、建築法上、隣地との境界からの距離を一定程度とらな・・・
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